箱根駅伝コース紹介 "1区" ~着順ではなく秒差が重要!?~

箱根駅伝ファンの皆さん、はじめまして。

 

今日は、箱根駅伝コース紹介をしていきたいと思います!

 

特に、最近箱根駅伝を見始めた人は「それぞれの区間なんて、ただ距離が違うだけじゃないの?」と思っていませんか?

 

かつての私もそうでした。「花の2区と山登りの5区には強い選手を置くんだな」というレベルの知識で、箱根駅伝を見ていました。

 

もちろんその程度の知識でも箱根駅伝は大変に面白いのですが、各区間の特徴を知ることで、各校の戦略や選手の特徴までも考えられるようになり、観戦の面白さが飛躍的に増すと確信しています。

 

お正月の風物詩として箱根駅伝を楽しまれている皆さんに、さらに楽しさが増すような見方を届けたいという思いで、コース紹介始めます!

 

〇1区(21.4km) 東京・大手町~鶴見中継所

 

・コース概要

日本屈指のビジネス街である大手町の読売新聞社前からスタート。

起伏が多い箱根駅伝のコースの中では、比較的フラット(平坦)なコース。

最大の注目ポイントは、17km過ぎの六郷橋

登り・下りに強い選手、体力に余裕のある選手が仕掛ける(ペースを上げる)ことで、ライバル校を引き離しにかかる。

 

区間のポイント

大前提として、駅伝という競技は、いかに先頭集団に近い位置で走ることができるかが重要だ。

なぜなら前の選手を追うには、序盤からハイペースで突っ込んでいく必要があり、そうなることによって、中盤・後半にペースが伸びなくなるという、いわゆる後手に回るレースとなってしまうためだ。

そのため、当然1区での出遅れは許されず、優勝を狙うチーム、シード権死守を狙うチーム共に、主力級の選手を配置することが多い。

 

・戦略

ズバリ、「17km過ぎ、六郷橋のアップダウンで仕掛ける」というものだ。

少し前から箱根駅伝を見られている方であればご存じだろうが、佐藤悠基選手(東海大)や大迫傑選手(早稲田大)のように、序盤で後続を引き離すようなレースになった大会もあった。

しかしながら近年は、各大学の強化や厚底シューズの台頭によって、選手のレベルが上がっているため、いわゆる「大逃げ」を成功させることは至難の業だと考える。

そのため、六郷橋までは集団の中でレースを進めることで力を蓄え、勝負所でスパートするのが最も賢い戦略だろう。

もちろんそのように考える大学・選手は多く、なるべく集団の中に入ろうという牽制が起きる。今年の1区では、入りの1kmが3分33秒という史上稀に見るスローペースとなったが、これもそうした戦略を敷いている大学が多いことに由来する。

ちなみに六郷橋からのスパートで後続を引き離す、お手本のようなレースをするのが、94・95回大会の西山和弥選手(東洋大)であった。彼のレースプランは非常に理想的なもので、参考になると思われる。

 

1区の紹介は以上です!

箱根駅伝の流れを占う、絶対に出遅れが許されない1区でした。

 

次回は、「花の2区」いわゆるエース区間について、解説していきたいと思います!